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リストランテでなんちゃってスタージュ~2011年イタリア滞在記⑧

 フィレンツェでは、5日間のリストランテ研修をお願いしておりました。
研修先のレストランは、フィレンツェ中心部からバスで30分ほどの郊外にあるお店。
 
 イタリアに料理を習いに通い始めたころからずっと思っていたのが、一度、イタリアの厨房で働いてみたかったということ。22歳からイタリア料理の勉強を始めたものの、当時はイタリア語も片言だったし、諸事情により長期にわたってイタリアに行くのはどう考えても無理。
 そんなこんなで、せめてイタリアの料理学校に・・・と、飛び込んでみたのがそれからのイタリア料理との長いお付き会いの始まりでした。料理学校には、すでにイタリアの厨房で働いているコックの人なんかが出入りしていたので、その人から実際のお話を聞くだけで大変そう。仮に、半年ここの学校で料理の勉強をしたとしても、到底私なんかが厨房に行ったら足手まといになってしまうなぁと、オーダーが飛び交う殺気立った厨房の中で聞き取れないイタリア語に右往左往する自分を想像して、身震いしていたものです。 きっと、イタリアに長期滞在できるチャンスがあったとしても、当時の私は度胸がなくて、きっとリストランテでのスタージュには行かなかっただろうなとおもいます。
 んなもんで、毎年1~2回、イタリアに来ては、マンマや元料理人に料理を教えてもらうという今のスタイルが完成。
 それでもたまに、実際のお店でやってみたいなぁという思いはあったので、今回、縁あってフィレンツェ郊外のリストランテでお世話になることになりました。
やりたいことはどんどん前倒しでやっていかないと、今後どうなるかわかりません。震災の時にイタリア旅行を1回あきらめちゃったのでその思いが強いのです。


フィレンツェのアパートの大家さんにそこのレストランに研修に行くよ、と話をしたところ、「ええっ。あそこ??いいな、いいな!」とたいぶうらやましがられました。
フィレンツェではまあ名の通ったレストランだったみたいで、研修に行くのが楽しみでした。
 実際、行ってみると、町の中心部からバスで30分もかかる郊外にあるのに、毎日お客さんでごった返す人気店でした。

 シェフは、フィレンツェの超有名リストランテCの経営者の元奥さん(なんて言う紹介・・・)。かなり久々にであった、イタリアの強烈オバチャンでした(笑)
 ちょっと雑~な感じのマンマシェフの指導をうけつつ、マンマシェフの片腕(いや、両腕ぐらい)のYくんと、後輩の粉もの番長のMくんが、そりゃまあ、親切にしてくれたため滞在中たっくさん勉強させてもらいました。


 仕事がかなり丁寧。お客さんからお金をもらう料理というのは、こういった細かい仕事の積み重ねを経て出来上がっているのだということ、当たり前かもしれないけど、いまさらながら、実感。
 また、それぞれの意識の高いこと。「お店の味」があるなかで、いかにそれを自分の技術、センスでさらに磨いていくか、仕込みをする彼らは毎日が勝負なんですね。
刺激をうけます、ほんとに。

午前の仕込みタイムが終わるころには、空腹。

作るだけじゃイヤ。食べさせて。


そう、この研修のいいところは、午前中は見習い料理人のようにせっせと働いた後、営業タイムになったらお客さんとして、席に付いて料理を堪能できるという点。

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 それに、他のお客さんに混じって食事をするので、周りの様子を観察できるのも楽しい。
さっき、仕込みを手伝った料理のオーダーが入ると私もうれしいし、「信じられないぐらいおいしい!!」と隣のテーブルのお客さんが喜んでいるのをみると、なんだか自分の事のように誇らしい。
他のお客さんは私がさっきまで厨房にいたことなんて知らないので、ダイレクトな反応が見られるのがたまらない。お客と従業員の中間のような立場でお店を見られるのはなかなかよいエンターテイメントです。

 人間観察をしながら私もお食事をいただく。 

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ここの看板料理、鶏レバーのパテ オレンジソース添え。
鶏レバーのパテって苦手で喜んで食べたことないんだけど、ここのは別格。マジうまい。
長時間煮込んだオレンジソースがたまりません♪ソーテルヌのワインとよくあう~~。

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リストランテでありながら、トラットリアも併設しているので、そっちの料理もたべさせてもらいました。
トラットリア料理は家庭料理が多いの。でも、丹念な仕込みの成果か、いや、ウマイッス。
カリフラワーのスフォルマート、フツーにつくったらフツーのなんてことない料理なのですが、これが唸るぐらいうまかった。丁寧な仕事をするってこういうことね。

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また、THEトスカーナ定番料理のパッパ・アル・ポモドーロも然り。作り方は至って簡単なのですが、その分、作る人の技量が問われる料理。これもほんとおいしかったわ~。


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セコンドもおいしかった。これは、習って日本で・・・・というよりは、ここで食べて納めていく料理。
5日間で、メニューに載っている全料理を食べさせてくれようと、マンマシェフの目を盗んで(笑)、Y君が夢のセコンド2点盛りにしてくれました♪
(ここに研修に来た人で、全メニューを制覇したのは私だけらしい。グッド、ジョブ、Y君)
やっぱり、トスカーナは肉です。肉。

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ドルチェもたっくさん教わりました。
お気に入りはとろけるクリームブリュレ。

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お店メニューもおいしかったんですが、何気に気に入ったのがみんなのまかないのパスタ。
私はゴージャスランチが控えているので、もちろんまかないはいただかないのですが、このクリームパスタはおいしそう。M君のを一口だけ横取り味見させてもらったんですが、隠し味の●●と▲▲が効いていておいしかったな。なかなか思い付かない組み合わせのクリームパスタでした。今度、教室のメニューにしてみよう。

結局作りやすいメニューに流れる・・・(笑)

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ここのソムリエのお姉さん。超セクシーなんだけど、かなりできる。
料理にドンピシャのワインをたらふくのませてくれました。
ありがとね~~っ。

働きにきたのか、ご飯を食べにきたのか、どっちだい?とつっこまれそうなので、なんちゃってではありましたケド、念願のリストランテ研修の模様でした。

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若い将来有望な料理人さんと働けたのもいい経験です。
いつか、技術を身につけて日本に戻ってきたときに、美味しいものを食べさせてくれるレストランが増えることをいまからたのしみにしています。

ありがとう、Yくん。Mくん。
by buonaforchetta2 | 2011-11-05 18:08 | 2011年イタリア滞在記 | Comments(4)
Commented by sicilia_trapani2 at 2011-11-07 00:28
日本でもイタリアでもお店で働くってことは、お客様の反響をダイレクトに見れる良いチャンスでもあるわけで。
いつも思うんだけれど、お店って全体の雰囲気を楽しむもので、料理だけが美味しくても、サービスだけが良くてもダメ。全体の空気感が大切なんですよね。ステキな環境で働けたこと、とっても良い経験でしたね!
Commented by ショコラ at 2011-11-07 23:55 x
厨房ではさぞかし大変だったでしょうけど、いろいろな体験をして本当に充実した日々だったんだろうなーとしみじみ感じ嬉しくなります。(母になった気分(=ω=)) 何事も行動に移さないと開けていきませんよね!
私は、↑すべてのお料理&ドルチェを今すぐぜーんぶ食べたい!
Commented by buonaforchetta2 at 2011-11-08 20:57
REIさん
おっしゃるとおりです。今回、リストランテ研修にいきたいなぁと思ったのは、やっぱり去年のドンナフランカがきっかけでした。あちらも、料理・サービス・雰囲気ともパーフェクトなところでした。また第2弾でドンナフランカにも行きたいと思っています。そのときはまたよろしくおねがいします♪
Commented by buonaforchetta2 at 2011-11-08 21:05
ショコラ様
好きなことでしたし、親切な人ばかりの厨房でしたので大変なことはありませんでしたよ。なんだか、いつも家族のことのように気にかけていただけること感謝しております。ありがとうございます。
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