田植えの季節です。
田植えの少し前に、田に水を張ります。
朝日が当たると水面が輝いてまるで湖のようになります。
1年でたった数日しかこの光景はみられません。朝の光いっぱいのキッチンからながめるのが大好きです。
(水の輝きを写真におさめようと思ったら、窓ガラスの汚さが目立つ結果に。残念)
反射した光が天井にあたっている様子も気に入っています。
水面がゆらぐと影もゆらぎます。
光や水って大事。ずっと曇り続きの天気だったのでこんな日は朝から気分がいいものです。
昨年は、海をみても山をみても、どこに行っても放射能のことばかり考えて過ごしていました。
去年も田植えを同じようにやっていたと思うのですが、たぶん、それを見ながら泣いていたと思います。
たまに、外部の人から「福島の人は何も言わなすぎる。もっと福島県民の人権を訴えるべきです。脱原発をさけぶべきです」とご意見をいただきます。
でも、ここで生きていくと決めているからには、朝日がきれいだなとか、田植えに心を躍らせてみたりという、これまでの日常で味わえる小さな喜びの方を大事にしたいなと思うようになっています。
毎日放射能の事ばかり考えている方が、精神が参ってしまいますから。
私みたいなブログにだらだらこんなことを書く人間はおいといて、じっと耐える選択をした人たちもたくさんいますから、どうかそういう人たちはそっと見守ってほしい。
権利を訴えるだけが賢い生き方とは思えないときもあります。
そんなんじゃダメでしょうか。
将来どうなるんだろうという不安は依然抱いていますし、あの時の恐怖や怒りが時たまフラッシュバックする時もあります。
そんな中でも生きていかなきゃいけないから、こういうことに小さな心の安らぎを感じてもいいでしょうか。
やっぱり、綺麗なものを見て、いいなと思った後でもそんな事を考えるから、ふつうにはもどっていないんですね、人も、土地も。