トルコに実際に行くまで、トルコ料理の基礎を押さえておこうと思い、東京や大阪のトルコ人のシェフや私のトルコ語の先生などをハシゴしながらチョイチョイと教わっています。トルコ料理を定期的に教えてくれるところはとても少なく、毎回先生探しは大変です。どこかでトルコ料理教室があるたびにあちらこちらで駆け回っています。
3回連続で、3人の先生から同じ料理を習いました。
トルコ人がみんなダイスキなマントゥ。
マントゥの名前の響きからして、想像がつきますね。
饅頭。
よく、トルコ風水餃子とか、トルコ風ラビオリといわれていますが、マントゥはとってもちっちゃい。
イタリア料理にあるトルテッリーニ並か、それ以下の大きさ。
ちまちまと小さいマントゥを包んでいると、ラビオリを作るのが大変だとか言ってはいけないなと思う。
めちゃ小さいです。
これは、トルコ大使館のシェフによる料理教室でつくったマントゥ。
BSでやっている番組、「大使の食卓」よろしく、マントゥの具に、何種類もの野菜やハーブを刻んで混ぜ込んで作ってあるのでとても手が込んでいる。
味付けは、にんにくヨーグルトソースに溶かしバターをたっぷり(汗)
でもこれが衝撃的なおいしさだった・・・・・・。
こちらは、私のトルコ語の先生に教わったもの。
うちの先生は男性ですが、アンネ(トルコ語でお母さん)から教わった料理のいくつかを教えてくれます。
具は牛肉とたまねぎだけ。大使館のシェフのに比べると、シンプルで家庭料理の感が強くでています。
新聞の上でマントゥ作るのがトルコのお家っぽいんだそうです、先生曰く。
生地はユニークで、イーストで発酵させた生地を使用。ムチムチ感がある。
でも、これもたまねぎだけとは思えない美味しさ。
唐辛子ペースト入りのトマトソースとヨーグルトソースのWソースで。
これも病み付きになるくらい恐ろしくおいしいマントゥで、いやしくも2回もお代わりをしてしまった。
対するイタリアのトルテッリーニは、伝統的な作り方だとお肉を3種類にモルタデッラをひいたもの、パルミジャーノ・・・・と入れるものが多く、作っている段階から、生唾ゴクリの美味しさ保証のリピエノである。
それに慣れている私としては、牛ひき肉に玉ねぎ、塩コショウだけの詰め物はシンプルすぎて味がしないんじゃないかと心配になる。パルミジャーノを入れないなんて・・・・と、ボローニャのマンマの引きつった顔が浮かんできてしまう。
しかし、肉のストレート感が直に伝わるマントゥは、トルテッリーニの繊細さとはベクトルが違う美味しさなのだ。
これに限ったことではないが、イタリア料理とトルコ料理を比べた時に、トルコ料理とはインテグラルなイタリア料理だと思えるものが多々ある。
こっちは、大阪、心斎橋のトルコ料理レストランのシェフのお料理。
ちょっと変り種で、鶏のひき肉で作るマントゥ。スパイス使いがトルコらしい。
フレッシュトマトのソースとヨーグルトのWソースで。
トルコはイスラム圏なので、料理に使う肉は羊が一番で次に牛がくる。そして、それとは別ジャンルで家禽類。日本では、羊肉がなかなか手に入らないため、日本では牛肉でマントゥを作ることが多いそう。
鶏ひき肉のマントゥはシェフのオリジナル。
手が込んだものは美味しい。
ちまちまマントゥを包む作業は気が遠くなるができたときの達成感と、口に運んだときの至福感を思えば当然の代償だ。
しかし、作業中の沈黙加減と時折漏れるため息の回数はラビオリの比ではないので、いつかマントゥ教室をやる日が楽しみでもあり、怖くもある。