2日目の土曜日は、Iさんご夫妻に車で、セゴビアという街に連れてっていただいた。
本当に何から何まで申し訳ない。お二人から後光がさしてみえます。
セゴビアはマドリッドから車で1時間ほど。
一番の見所は、古代ローマの水道橋。
2000年以上前の石積みの橋が完全な状態で、街と融合しながら存在している。
古代ローマ人の叡智に感嘆する。
セゴビアは、セゴビア焼きでも有名。
土産物屋には、素朴な焼き物のお皿が並び、ムクムクと私のお皿熱が燃え上がる。
セゴビアの街の、外壁も実に美しい。
透かしのような文様が、単色の壁に彩りを与えている。
屋根なんかも、瓦を一度苔むしたものを裏返しにして貼っているのだとか。
スペイン版侘び寂び。
かとおもうと、雑なこんな素焼きの豚貯金箱が街のあちらこちらに。
そう、セゴビアに連れてきていただいた最大の目的は、
子豚の丸焼き!!!!!!
生後3週間の子豚をオーブンでじっくり焼いたのがここの名物なのだとか。
スペイン旅行を決めた4ヶ月前から、なんどこの子豚の写真に生唾を飲み込んだことか。
いよいよご対面。
その前に、ドカンと盛られたスープ。
ソパ・デ・アホ
ニンニク(アホ)と名前があるので、もっとガツンとしたものを想像したいたら、このスープもハモン(生ハム)の出汁がベースになっている。
にんにく、ハモン、たっぷりのパプリカパウダーのスープにお麩のようにパンがぎっしり。
ここに巣ごもり卵もはいっており、スープと黄身をまぜながらたべるとこれまた違ったまろやかな味わいに。
このあとに、子豚がくることを知っていなければ、飲み干してしまいたいくらい後味ひくスープだった。冬ならではのお楽しみ。
そして、ブー太郎の登場。
私には後ろ足が。
殿には、耳付きの上半身。ヒョエーーー。
皮はパリパリ、身はふんわりの子豚の丸焼き。
シンプルの極意を体現するお料理だった。
悔やまれるのは、時差ぼけからくる消化器系機能の低調(肝機能だけは絶好調)と若干の車酔いで、豚を完食できなかったこと。
半分は食べたものの、生後3週間で丸焼きにされた豚に実に申し訳なく思ってしまう。
食後は腹ごなしに、アルカサルへ。
ディズニー映画、白雪姫のお城のモデルにもなった、セゴビアのお城。
それ以上に、むかし、世界史の教科書で想いを馳せた、カスティーリャ王国の名残が目の前に広がる不思議。
大人になってからそこここへ旅に出、歴史の舞台を目にする機会に恵まれるが、いつも思うことは、世界史が大好きだった高校時代の私にみせてやりたかったなぁ、と。
私にとって世界史の舞台を巡ることはしばし過去の自分と再会することでもある。
バリバリの主観で、アルカサルをたのしんだ。
帰ったら、Iさんに教えてもらった「アルカサル-王城」を大人買いしよう。
カスティーリャ系の漫画だと「サルディナーサ」もいいな。
初めてなのに、懐かしい感情に陥ったお城マジック。
今日も一日ありがとうございました。